デジタルサイネージの耐用年数はどれくらい?長持ちさせるポイントを解説

一般的に、デジタルサイネージの耐用年数は約5年といわれています。しかし、デジタルサイネージの耐用年数には、法定耐用年数と物理的耐用年数があり、それぞれ考え方や基準となるポイントが異なるため注意が必要です。
本記事では、デジタルサイネージの耐用年数を解説します。長持ちさせるポイントも解説するので、導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
INDEX
デジタルサイネージの耐用年数
まずは、デジタルサイネージの耐用年数を確認しましょう。
そもそもデジタルサイネージとは?
デジタルサイネージとは、液晶ディスプレイ・タブレットなどの電子機器を媒体として、情報や広告を発信するシステムのことです。「電子」を意味する「デジタル」と、「看板・標識」を指す「サイネージ」を組み合わせた言葉で、電子看板や電子掲示板とも呼ばれています。
デジタルサイネージの耐用年数はどれくらい?
デジタルサイネージの耐用年数には、「法定耐用年数」と「物理的耐用年数」の2つがあります。
<法定耐用年数>
デジタルサイネージの法定耐用年数は、約3年です。
法定耐用年数とは、デジタルサイネージを資産と考えた場合に、減価償却が終わるまでの期間を指し、税法によって規定されています。デジタルサイネージについては、明確な法定耐用年数はありませんが、同じ属性の「看板、ネオンサイン、気球」が3年であることから、同様に考えてよいでしょう。
しかし、法定耐用年数は、あくまで資産価値としての耐用年数であり、実際の寿命を表すものではありません。物理的耐用年数とは、考え方や基準となるポイントが異なるため、混同しないようにしましょう。
<物理耐用年数>
デジタルサイネージの物理的耐用年数は、約5年です。法定耐用年数は3年ですが、実際はより長く使い続けられることのほうが多いでしょう。
物理的耐用年数は、使用環境や製品の品質、使い方、メンテナンス状況によっても異なります。屋外での使用や長期間稼働させた場合は、5年未満で故障や不具合が起きる可能性もあります。一方、修理やメンテナンスをこまめに行い、正しく使用すれば、5年以上使い続けられるケースもあります。
耐用年数を気にしすぎる必要はない
上記のことから、一概に「◯年で使えなくなる」とはいえません。そもそもデジタルサイネージは、24時間の稼働を前提とした業務用機器であるため、他の電子機器よりも耐久性に優れています。最近では、多種多様なタイプの製品が開発されていることから、耐用年数はあまり気にせず、自社に合った使い方をしたほうが効果的に活用できるでしょう。
ただし、使用状況によっては、耐用年数よりも寿命が短くなる可能性もあるため、気になる場合は、修理や買い替えをおすすめします。
デジタルサイネージを長く使うためのポイント
ここからは、デジタルサイネージを長く使うためのポイントを解説します。
設置場所に合わせた本体を選ぶ
デジタルサイネージを長く使うためには、設置場所に合わせて本体を選ぶことが大切です。
たとえば、屋外や水にさらされやすい場所で使用する場合、防水機能や防塵性のある製品が適しています。夏季には、直射日光による熱の影響も考慮して、自動冷却機能や耐光性が備わっていると安心でしょう。
頻繁に電源を付けたり消したりしない
頻繁に電源を付けたり消したりしないことも、デジタルサイネージを長持ちさせるポイントです。デジタルサイネージに限らず、電子機器は、電源のオン・オフを切り替える際に最も多く電力を消費します。電源の切り替え回数が多くなるほど機器に負担をかけるため、1度電源を入れたら、使い終わるまで切らないようにしましょう。
使用場所の温度に気を付ける
デジタルサイネージを使用する際は、使用場所の温度にも気を付けてください。
一般的に、デジタルサイネージの耐熱温度は、屋外用の製品でも-20~50度といわれています。これより高温または低温の環境で使用すると、機器に負担がかかり、故障や不具合を起こすことになりかねません。デジタルサイネージを使う場所では、なるべく一定の温度を保つように注意しましょう。
保証などをチェックする
デジタルサイネージを長く使うためには、購入時に保証内容を確認することも重要なポイントです。保証期間が長く、サービス内容が充実している製品なら、故障や不具合が起きた際もすぐに対処してもらえます。すでに導入を終えている場合は、保証の利用方法や範囲を確認するとよいでしょう。
定期的なメンテナンス
デジタルサイネージは、定期的なメンテナンスを行うことで、長く使えるようになります。特に、ホコリや汚れはこまめに拭き取りましょう。
また、メーカーや業者のメンテナンスサービスを利用すれば、故障の兆候を早期に発見し、機器トラブルを未然に防げるため、安定した運用が可能です。費用はかかるものの、長く使えるようになることで、結果的にコストを抑えられるでしょう。
デジタルサイネージで多いトラブルとは

ここからは、デジタルサイネージで多いトラブルと、トラブルが起きた場合の対処法を解説します。
電源関係のトラブル
デジタルサイネージでよくあるトラブルが、電源関係です。電源ボタンやスタートボタンを押しても電源がつかない場合は、電源プラグがしっかりと奥までささっているかを確認してみましょう。延長コードを使用している場合は、元のコンセントから抜けている可能性もあります。
ケーブル関係のトラブル
電源に問題がないにもかかわらず、画面が映らないときは、ケーブル関係のトラブルを疑いましょう。たとえば「NO SIGNAL」と表示される場合は、プレイヤーとデジタルサイネージ本体が正しく接続されていない可能性があります。ケーブルが抜けていないか、接触不良がないか、実際に抜き差ししながら確かめてみてください。
画面の焼き付き
長時間同じ画面を映したり、繰り返し表示したりした場合は、コンテンツの更新後に残像として残ることがあります。この現象を「焼き付き」といいます。
焼き付きが生じた場合は、一度コンテンツの配信を停止し、電源を落とす方法が有効です。クールダウン後、再度電源を入れてみてください。
画面の変色
デジタルサイネージを使用していると、スジが入ったり黄色っぽく変色したりすることがあります。ディスプレイの変色、異常の多くは、内部の液漏れが原因であるため、買い替えも視野に入れなければなりません。ただし、画面全体が黄色味を帯びている場合は、単にHDMIケーブルなどが抜けかけていることが原因となっている可能性もあります。
配信コンテンツが更新されない
クラウド型のサイネージサービスを使用した場合、ネットワークのトラブルにより、コンテンツが更新されないことがあります。Wi-FiルーターやLANケーブルなどの配線状況を確認し、破損や抜けている箇所がないかチェックしてみてください。回線そのものの通信障害やメンテナンスが原因で一時的に利用できなくなっていることもあるため、情報を確認してみましょう。
コンテンツが再生できない
コンテンツが再生できないこともデジタルサイネージでありがちなトラブルです。原因としては、プレイヤーが登録したコンテンツのデータ形式に対応していないことが挙げられます。プレイヤーに対応している拡張子、解像度、画角、データ容量などを確認し、ファイルとの親和性をチェックしましょう。
デジタルサイネージを活用した事例
最後にデジタルサイネージを活用した宣伝、広告の事例を紹介します。
クーポンの配布による販促
コンビニエンスストアでは、デジタルサイネージを使って飲料商品のクーポンを配布し、販促効果を検証する実験が行われています。具体的には、デジタルサイネージを駅構内のコンコースに設置し、広告に掲載されているアプリからクーポンを配信することで、実店舗への送客を図りました。クーポンを取得した人の約86%が実際に来店しました。
ホテルで近隣のマップを表示
ホテル業界では、マップ型のデジタルサイネージが多く使われています。ロビーにデジタルサイネージを設置することで、宿泊客がホテル周辺の公共交通機関や飲食店、観光地の情報を取得するのに役立っています。実際に訪れた宿泊客の口コミや感想などをマップに反映し、宿泊客同士のコミュニケーションツールとして活用している事例もあるようです。
食堂でのメニュー表示
最近では、食堂にデジタルサイネージを導入するケースも増えてきました。ディスプレイにメニューの一覧を表示させることでより見やすく、調理サンプルや食品サンプルを設置せずに済みます。また、リアルタイム性に優れているため、日替わりメニューや売り切れ情報の更新、呼び出し番号の表示など、状況に応じてさまざまな使い方ができることもメリットです。
公共の情報伝達ツールとしての導入
役所などの公共機関では、デジタルサイネージを情報伝達ツールとして活用しています。行政サービスの情報の他、市町村からのお知らせ、災害や感染症への注意喚起など、重要性・緊急性が高い情報もすぐに反映できることが利点です。
まとめ
デジタルサイネージの耐用年数は、使用環境や使用頻度に大きく左右されます。製品を選ぶ際には、耐用年数を考えることも大切ですが、あまり気にしすぎる必要はないでしょう。むしろ、自社に合った製品を選んだうえで、長持ちさせるための対策をしたほうが、効果的に活用できる可能性があります。
ヒビノグラフィックスでは、多種多様なデジタルサイネージの開発・製造を行なっています。高輝度4K対応の製品や屋外用サイネージなど、幅広い製品の提供が可能です。デジタルサイネージの導入を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。